理事長所信

2019年度理事長
寺岡 誠三

はじめに
青年会議所とは何のために存在するのでしょうか?
青年会議所の目的は綱領にもあるとおり、明るい豊かな社会の実現です。我々青年の力で明るい豊かな社会を築いていくために我々は存在しており、最終的な目的は長崎青年会議所の定款第3条にもあるとおり、世界の繁栄と平和に寄与することです。繁栄し平和な社会こそが明るい豊かな社会であります。我々の住み暮すまち長崎を明るく豊かにするべく我々は活動・運動を展開しています。
一方で、青年会議所とはどのような団体なのでしょうか?
青年会議所はただ単に社会奉仕を行う団体ではありません。我々が行う運動とは指導力開発と社会開発にほかなりません。端的に述べるなら「ひとづくり」と「まちづくり」です。
私は本年度、この「ひとづくり」の部分に特に着目したいと考えます。

「会員の拡大」
会員拡大こそがJC運動そのものである。それはどういうことを意味するのでしょうか?我々には明るい豊かな社会の実現という共通の目的があります。志を同じくするメンバーが多く集うことが明るい豊かな長崎の実現への近道であるのです。もちろん、我々と共通の目的の下、ともに活動・運動を行っていただけるのであればそれに越したことはありませんし、非常に望ましいことです。しかし、我々の運動を広めること、多くの方に知っていただき、理解を深めていただくことも拡大ではないかと思います。拡大活動を通して、多くのひとに出会い、長崎青年会議所を知っていただくことも拡大活動の重要な側面の一つです。
更に、拡大は現役会員や特別会員をはじめ多くの方の手助けがないと成功しない事業です。本年度は特別会員も巻き込んだ拡大活動を行っていきたいと考えます。
そして何より、我々は自らの会費のみで運営を行い、事業を構築しています。それがどのような大きな事業だとしても、委員会がしたいと望み、理事会で承認されれば、事業を行うことができます。しかし、自らがやりたい事業を具現化するには、会員の増強は現実的に必要不可欠なのです。長崎の発展に貢献できる大きな事業を多くの同誌とともに創り上げたくないですか?

「ひとづくり」
青年会議所の三信条は「修練」「奉仕」「友情」です。自己修練に努め、社会への奉仕を行い、そして、仲間との友情が生まれます。しかし、三信条の順番は「修練」「奉仕」「友情」の順番です。修練が最初にきています。つまりは最初に行うべきことは修練なのです。青年会議所の設立趣意書の中にもこのような言葉があります。「我々青年は、あらゆる機会をとらえて互いに団結し自らの修養に努めなければならぬと信じる」と。
青年会議所は青年の学び舎であると言われます。青年会議所には多くの修練の機会が平等に転がっています。しかし、その機会は自らが掴みにいかなければなりません。目の前の機会を掴むも掴まないのも自由です。
本年度は学びの機会を数多く提供したいと考えています。毎月毎月学びの機会があり、会員の皆さんが機会を掴みにいきやすい学びの1年間を作りたいと考えています。
せっかく青年会議所に入会したのだから、多くの機会を通して自己の成長に努めましょう。自らの成長なくして、まちの発展はないのです。

「まちづくり」
一方、まちづくりも当然、行っていかなければなりません。長崎青年会議所は我々が住み暮す長崎というまちのために存在しています。他のまちの人と話をすると「長崎はいいですね」と言われます。我々は特に気にも留めないかもしれませんが長崎は知名度があり、歴史があり、更には多くの観光資源がある。いや、むしろありすぎるくらいでしょう。
数年前から地方創生が叫ばれ、地域のことは地域で考える時代です。交流人口の拡大を目指して、行政では多くの取り組みを行っています。我々は青年だからこそ考えうるまちづくりを模索していく必要があります。
過去を振り返ると、我々の先輩方は地域のために率先して行動を起こしてこられた。しかし、今はどうであろう。今後も青年会議所が魅力あふれる団体であり続けるために、まちづくりの担い手として、地域に住み暮す我々青年だからこそ、日々変わる地域の問題点に着目し、地域の発展に向けて市民と一体となってまちづくりを行っていかなければならないのではないでしょうか。

「青少年育成」
我々が考える青少年育成事業が本当に子ども達に、その親達に必要とされているのでしょうか?我々の主観だけで事業が構築されていないでしょうか?今一度、地域の子ども達にとって何が必要とされているのかを真剣に考える必要があります。我々の主観ではなく客観的に地域の現状を認識し、地域の問題点を把握し、全会員で共通認識を有する必要があります。我々は職業の異なる青年経済人の集まりです。各々が独自の視点を有しているはずです。多くの目で物事を多角的に俯瞰できるはずです。この点も青年会議所の強みであるはずです。
我がまちを今よりより良くするために、我がまちの子ども達のために我々は運動を展開しています。我がまちを昨日より今日、今日より明日の方がより良いものとなるようにしなければなりません。より良い明日を築き上げ、自分達の子ども達のためにも立派なまちを残すことも我々の使命です。

「運動の伝播」
青年会議所の知名度をどう感じますか?青年会議所を知っている人が市民の中でどれだけいるのでしょうか?広報活動は我々の運動を効果的に伝えるためには必要不可欠な手段ですが、多くの広報活動は対内向けに終始しがちです。対外に向けた広報のあり方をもっと模索すべきであると考えます。どんなに良い事業を行ったとしても、対外に認知されなければ、ただの自己満足に過ぎません。我々は自己満足のためにお金も時間も使って事業を行ってはいないはずです。
本年度は長崎青年会議所から長崎ブロック協議会の会長を輩出します。皆さんは出向をされたことがありますか?出向という青年会議所独自のシステムをもっと活用してほしいと考えます。人は人によって磨かれます。長崎青年会議所は素晴しいLOMであることを私は疑っていません。しかし、出向先には長崎青年会議所のメンバーとも違う、新たな魅力を持ったまだ見ぬ多くのメンバーがいます。出向先では多くのメンバーとの出会いを通して自分を磨いてほしいと考えます。又、青年会議所では各種大会に学びの場が用意されています。セミナーを受講することも当然学びとなりますが、あまり知らない地域に行き、その地域の空気にふれることも学びとなります。積極的に多くの大会に参加して、見識を広めましょう。更には新たなる出会いもあるはずです。

「結びに」
皆さんはどういう人の話こそが説得力を持つと思いますか?それは実体験をもとにした話ではないでしょうか。目の前に出された食べ物が美味しいか美味しくないかなんて、実際に食べてみないとわかりません。嫌々でもいい、興味がなくてもいい。ただ、目の前に出された食べ物をとにかく食べてみてほしい。美味しいか美味しくないかは自己の判断です。しかし、ただ一つ言えることは、この食べ物が食べた人にとって美味しいか美味しくないかの体験はできたはずです。自らの経験値が増え、自らの幅が広がったはずです。安心してもらっていい。青年会議所で出される食べ物に毒は入っていないのだから、皆さんには勇気を持って一歩を踏み出し、青年会議所で多くのことを体験してほしいと考えます。
体験に勝るものはない。自らのレベルは体験しないと上らない。レベルが上れば上るほど、しなければいけない体験は多く必要になる。皆さんには青年会議所であらゆる機会を掴み、多くの体験を通して自らをレベルアップさせてほしい。
青年会議所を使えるのも40歳までです。40歳になると好む好まざるに関わらず、卒業しなければなりません。だから、40歳までに青年会議所に入会していない人との間で大きな差をつけていなければなりません。青年会議所しかない時代から青年会議所もある時代と言われ、現在は多くの経済団体をはじめ、NPOやNGOといったような様々な団体が存在しています。その中から皆さんは青年会議所を選択された。青年会議所では失敗してもいいのだから、とにかく青年会議所を自己のために使い倒そうではないですか。

ともに自己成長に努めよう。地域のために、未来の子ども達のために、そして、何より自分自身のために。すべては体験から。

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