理事長所信

●はじめに
入会して間もない頃、「JC は自分の成長にもつながるし、人脈も広がって仲間も増えるよ!」と先輩から言われましたが、 当時の私は自己成長や人脈形成も特に必要ないと感じていたため、正直に申し上げてこの言葉には共感することができず、青年会議所に全く魅力を感じていませんでした。
しかし、入会して最初に参加した例会で考えが一変したのを今でも鮮明に覚えています。壇上 に上がって堂々と挨拶をする理事長の姿や、 年齢やキャリアに関係なく異業種のメンバーが自分の時間を削り、それぞれが任されたことを一生懸命に取り組む姿を見て「かっこいいな。自分もこの人達のようになりたい。」 と思いました。それからは、様々なことに挑戦させていただき、ときには先輩に叱られたり、喧嘩したり、涙することもありましたが、今では入会した頃より自分の成長を感じ、 人脈や信頼できる仲間が増えたと感じています。そしていつの間にか、この長崎青年会議所が大好きになっていました。
近年、新型コロナウイルス感染症の影響により、社会においてあらゆる行動に制限がかけられている現状が今なお続いています。 長崎青年会議所においても例外ではなく、今までどおりの活動・運動というものが難しくなってきています。又、会員間の交流や学びの機会も減少しています。 では難しいから何もしなくて良いのでしょうか。私はそうは思いません。どんな状況下においても、長崎のために何ができるか模索し、 地域に対して働きかけてきた組織こそが長崎青年会議所なのではないでしょうか。
こんな時代だからこそ、今こそ我々が長崎を明るく元気にするために、それぞれが自分の立場に関係なく、全員で力を合わせて運動を展開していきましょう。

●創立 70 周年
 1952 年(昭和 27 年)、戦後間もない復興から立ち上がろうとしている長崎のまちに、12名の発起人を中心とし、42 名の仲間が集まり長崎青年会議所は発足されました。 発足以来、その年々で様々な運動を展開し、まちの歴史とともに歩みを進めてきた長崎青年会議所は本年で創立 70 周年という節目の年を迎えようとしています。 現在は、現役会員約 100 名で活動・運動を展開していますが、私達が今当たり前のように活動できているのは、紛れもなく 800 名を超える諸先輩方のこれまでの軌跡があったからこそだと感じています。
この創立 70 周年という節目の年に、改めて諸先輩方に敬意を表すとともにこれまで築き上げてこられた歴史を振り返り、これからも諸先輩方の意志を継承していく覚悟と感謝の気持ちを伝えたいと考えます。 そして、今後も変化し続ける時代の流れに順応し、積極的変化に挑戦していくことで、諸先輩方の期待に応えられるような組織を目指していきましょう。

●私達のまち
皆さん、まちの元気がなくなっていると感じませんか。昨今の新型コロナウイルス感染症拡大により、医療機関は逼迫し、医療従事者の方々の負担は計り知れません。 又、緊急事態宣言による飲食業界の時短営業や観光客の減少、更にはおくんちや、我々が毎年参画している長崎ランタンフェスティバル、みなとまつりの中止など、 他にも様々な所で多大な影響を受けてきました。しかし、ようやくワクチンの普及が少しずつ広まり、様々な制限が軽減されつつあります。
今こそ長崎青年会議所の力を発揮するときではないでしょうか。本来の長崎の魅力を取り戻すために、そしてその魅力を改めて市民の方々へ伝えていくことが重要だと考えます。 長崎青年会議所らしく、我々にしかできないやり方で、どうすれば私達が住み暮らすまちを元気にできるのか模索し、市民の方々がワクワクするような事業を積極的に展開していきましょう。

●例会を楽しむ
 皆さん、例会は好きですか。今、「好きではない」と感じた人がいるのであれば、毎月の例会に参加するのは大変なことなのかもしれません。 しかし、例会は長崎青年会議所の方向性の確認、情報共有の場として非常に重要な会合です。折角、毎月参加する例会であれば、例会を好きになれた方が良いですよね。 では、どんな例会であれば好きになれるのでしょうか。私は「楽しい例会」なら好きになれるのではないかと考えます。
会員が一堂に会する例会において、会員間の交流は非常に大切なことだと考えます。同じ長崎青年会議所に属する会員とはいえ、委員会が違う会員との交流の機会はさほど多くはありません。 折角、同じ年代の青年が同じ会に所属しているのです。委員会の垣根を越えて交流の機会を増やし、気の合う仲間を増やしてほしいと考えます。又、学ぶことも非常に大切なことです。 昨日まで知らなかったことを知ることができる。昨日までできなかったことができるようになる。知識は人生において非常に大切な財産となります。「今月は誰と話す機会があるのだろう。 どのような学びの機会があるのだろう。」そう思える例会なら毎月の例会が楽しくなるのではないでしょうか。

●拡大活動に変化を
 青年会議所は市民意識変革団体です。我々と同じように長崎を想う人が長崎中に溢れれば長崎は明るく豊かになると思います。 そして、そのためには我々と同じ志を持つ大勢の仲間が必要なのです。しかし、長崎青年会議所の会員数は年々減少しています。これは入会者数の減少だけではなく、 会員の在籍年数が短くなってきていることも大きな要因の一つです。又、我々は長きにわたり、長崎青年会議所の活動・運動を展開して参りましたが、それでも世間に対する認知度がまだまだ低いのも事実です。
これからの拡大活動は、長崎青年会議所の活動・運動を展開し発信するだけではなく、自らを売り込んでいくことが重要なことと考えます。長崎青年会議所は本当に素晴らしい団体です。 入会すれば必ず意識が変わると信じています。まだ長崎青年会議所のことを知らない若い世代や各 企業に積極的に売り込み、我々とともに活動・運動をしてくれる仲間を増やしていきましょう。

●盤石な組織をつくる
 長崎青年会議所の組織運営は本当に素晴らしいと感じています。定款に沿って、会員一人ひとりがルールを守り、何を行うときも計画から準備を怠ることなく、 決めるときは総会や理事会といった厳格かつ公正な会議の中で取り決めていきます。この一連の流れが、より良い事業構築へとつながっているのです。
しかし、ルールに縛られ過ぎては本当にやりたいことができなくなることもあります。これまで紡いできた不変のものはしっかりと継承しながらも、ときには積極的に変化することを厭わず、 時代に即した運営を行って参りましょう。

●地域に根付く広報活動
 長崎青年会議所の活動・運動を広めていくために、様々な手法を用いて広報活動を行ってきましたが、まだまだ市民の方々に十分な理解を得られているとは言えません。 今後も、常に新しいアイディアを練りながら、地域に向けて我々の活動・運動を発信し、アピールしていく必要があります。市民の方々が、至る所で長崎青年会議所の名前を目にする機会を増やしていきましょう。 そして、多くの方々に長崎青年会議所の活動・運動を理解していただき、地域に根付いていけるよう取り組んで参りましょう。

●学びの機会を掴み取る
 長崎青年会議所は、委員会活動や例会の場、そして、各事業を実施するまでの過程において多くの学びの機会があります。 他にも、各種大会でのフォーラムやセミナーなど、学びの機会が多数用意されています。又、各地域に出向き、その空気に触れることで得られる学びの機会というものもありますが、 その機会は近年減少しております。しかし、悪いことばかりではありません。 時代は変わり、今では様々なことを、Web 等を通じても学べる機会が増えています。長崎を明るく豊かにするためには、 長崎のリーダーになるべき我々の自己成長は必要不可欠です。そのためにも、多くの会員が学びの機会を掴み、自己成長の機会とできるよう取り組んで参りましょう。

●さいごに
 皆さんは、青年会議所のことが好きですか。元々好きではなかった私が、これだけは自信を持って言えることを伝えます。 青年会議所を好きになる方法です。それは、青年会議所の活動をがむしゃらにやってみることです。「面倒くさい、やりたくない、きつい」、そう思うことが皆さんにもあると思います。 でも、一度がむしゃらにやってみませんか。
「若いときの苦労は買ってでもせよ」ということわざがありますが、本当にそのとおりと思うのです。青年会議所には、ここでしか学べないこと、ここでしか経験できないことが溢れています。 将来、この学びや経験は必ず役に立つと思うのです。そして、夢中になってやるからこそ、気持ちや行動が周囲へと伝わり、人を動かすことができる人材へと成長するのではないでしょうか。 一生懸命にやるからこそ、何かを終えたときに仲間と素晴らしい達成感を味わうことができるのではないでしょうか。
会員それぞれが青年会議所に使える時間は異なります。当然、会社や家族のために使う時間が一番大事でなければなりません。 その中で、皆さんができる限りの範囲で青年会議所に費やす時間を増やしてみてほしい。そうすれば今よりも必ず自己成長できるはずです。 必ず最高の仲間に出会えるはずです。そして、その頃には青年会議所での活動を楽しいと感じ、大好きになっていると思います。がむしゃらという魔法にかかってみませんか。 まずは我々が率先して苦労を買い、楽しみながらやってみましょう。長崎を明るく豊かに、そして何より元気にするために。上下一心、全力で楽しもう!

各室運営方針